ワールドガイド

世界統合宗教《Worlds》


古来全世界には複数の有力宗教画存在しましたが、現在はほとんどが姿を消し一つの大きな宗教概念が世界を支配しています。
その成立背景には精霊力バランスの崩壊や人類存亡危機など激動の歴史変革があったことは否めません。
「Worlds」(ワールズ)と呼ばれるこの宗教は、節制と調和を歌い万難を排して、人類究極の楽園であるアレグリアの大地にたどり着くことを目的としています。
現在、文明人は一部の無神論者や、邪教崇拝者を除き、積極性には個人差はあるものの大抵は信者です。


謎の神と神話

ワールズ教会では、神の名を表す単語を公開していません。
神は大地が崩壊する以前はもっと身近に存在しました。
現在、神の行方ははっきりとしていません。
教会は、神が残した言葉を元にして、信徒たちを導いています。
伝説の時代の最後、船団が出発して間もない事まで神々の残照が残っていたと言います。
後述の「バジルの教訓」もその一つで、神々に使える天使が確認された最後の記録だとされます。

メシア信仰

聖書にもある通り、この世界を救うために神は救世主を遣わせてくれることになっています。
厳密な時期はわかっていませんが、その時は近づいています。
メイア(救世主)が現れたとき、本当のアレグリアへの道が開け、全ての人々が救われるとされます。
その時のためにも、船団は生き残り、できる限りアレグリアの近くへ到達しておく必要があるのです。


巨大空艇都市「バルジ」の教訓

聖書によれば、人類が空の流民になって間もないころ、当時世界最大級の大きさと人口を誇った空艇都市バルジには、背徳と贅沢がはびこりました。
人々の堕落は頂点に達し、対立と混乱が拍車をかけました。
神は、最後の天使を遣わし何度か忠告をしましたが、バルジの市民たちはいう事を聞きませんでした。
そして、ある日、突然バルジの浮力は失われ、アビスに呑まれたのでした。

ワールズの教会は、この貴重な教訓を現在の人々に広め、戒めとしているのです。
聖書の中だけでなく、この事件は小学校の教科書にも出てきます。
ただ、歴史ではなく、低学年の国語の教科書にこの惨事を題材にした有名なお伽噺が出てきます。
絵本などでもよく扱われる題材な為、誰でも知っているお話です。
桃太郎くらいの知名度です。


アレグリアの大地

この世のユートピア、揺るぎなき大地アレグリアは、一年を通して暖かく果物が熟れ草花が生い茂る楽園とされています。
大地は揺らぐことはなく、どんな災害でも微動だにしません。
アビスもこの地を飲み込むことは不可能であり、人々は永遠に死ぬ事も年をとることもなく、平穏に暮らすことができるとされています。
この大地は巨大で、地平線の先まで続いており、そこには巨大な海までが存在します。
テチス海と呼ばれる海には魚がおり空を飛ばない鯨も住んでいると言います。
その位置は、はっきりとはわかっていませんが、神からのお告げが道しるべとなります。


死後の世界

ワールズ教では、死後の魂は裏世界「ピソ界」と言われる死者が集う世界に行くとされます。
このピソ界は、現在の世界と左右逆転した世界で、そこには飛空艇都市も存在しています。
魂たちは生前と近い生活をしますが、食事をしたり眠ったりはしません。
そして、自分が生まれた飛空艇都市と共に移動し、飛空艇がアレグリアの大地へ到着した時に全員が復活します。


アビスとの戦い

旧世界が生み出した悪意と憎悪の塊がアビスだとワールズ教は言います。
この悪に立ち向かうための最大の武器は、節制と調和の心です。
バルジの教訓が示す通り、贅沢や傲慢は世界を滅ぼす力を増長させるものとされ、教徒は可能な限りの心の清らかさと節制した生活を求められます。


最高賢者会議

ワールズ教は宗教旅団都市「カンナカムイ」に本拠地を持ち、全ての飛空艇都市に強い影響力を持っています。
特に最高賢者会議の力は強大で、その発言力を無視できる都市はありません。
特に数年に一度ある「神のお告げ」は、全ての飛空艇都市の進路決定に大きな影響を与えます。


謎だらけの最高賢者会議

賢者会議は公式には13名の高位聖職者によって構成されていることになっていますが、
記録にある限りメンバー交代は行われていません。
その存在は謎だらけで、会議が行われる会議室自体、中に入ったものは誰もいないと噂されています。
そして、この事実を調査しようとした者で戻ってきたものはいないと言います。


予言の書

ワールズ教の秘中の秘にこの予言の書があります。
内容は大地崩壊から世界の週末までのすべてが書かれた予言の書だと言われています。
この情報に接触できるのは最高賢者会議のメンバーのみで、この内容を元にして、教会は「神のお告げ」を出しています。


「神のお告げ」

お告げの内容は、大抵8割は意味不明なもので、解読不能です。
ランダムに見える単語の羅列と数値、時には図形が入ることもあります。
協会では、一応内容を解析し、俗人でも理解できるようにしてくれますが、それでも意味を測りかねる内容が大半です。


ワールズ教と日常

教会では、年末年始の儀式や、大地崩壊前から続いていた俗習の多くを受け継いでいます。
その本来の意味の多くは忘れ去られていますが、人々は一年の節目としてそれらを楽しむのが一般的です。
また、ワールズ教の教会は、大抵の飛空艇都市に点在しており、人々の心のよりどころになっています。
下級の神父たちは、一般的に善良で人々のために働いています。
スラムなどへの援助も積極的に行われており、ワールズ教は世界最大の慈善団体でもあるのです。