プロローグ
まずは、この世界について語りましょう。
最早知る者はいないほどの遥か昔に地上は崩壊し、人類の生存可能な環境は一切存在していません。
―――しかし、人類はその生活圏を「空」へ移し、
大空に浮かぶ巨大な「飛空艇」の上に「空挺都市」を築き、文明を形成しています。
人類は飛空艇で生まれ育ち、技術を学んで飛空艇を支える一員となるか、
安寧の地を探す「探究者《ラストエイジ》」となり、遥かなる天空を駆ける。
千年以上、世界はこのような在り方をしています。
あなたは、今なお続く世界の浸食に怯える人々に希望を与える存在として
この世界に降り立つことになるでしょう。
ダリア進化途絶論
それは、人類進化学において著名な科学者ダリアが発見した研究成果が発端だった。
長年に渡り、様々な角度・検知からの考察の結果、「人類は、これ以上、生物としての進化は望めない。」という衝撃のものであった。
衰退がささやかれる中、アニマ革命によって個としては超人的な能力を発揮出来るようになったが、
種としての発展は見込まれない状況は続いており、更なる進化を求め、各地に点在するまだ見ぬ種族と交わり、
新たな進化を目指すという通称「ヨメサガシ」が盛んに叫ばれるようになった。
ダリアの著書、進化途絶論の最後にはこう一文が記載されている。
―――そう、これは人類の存亡をかけた、壮大な嫁探しの物語である。
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