プロローグ
最悪の敵、ブロントヴァイレスには、メスが居る。
その情報が入ったのは、つい先程のことだ。
「ブロントヴァイレスのメスは危険だ! 急いで討伐してくれ!」
と、レーヴァテイン司令部から探求者達に連絡が届いたのだ。
レーヴァテイン司令部によると、ブロントヴァイレスのメスはお腹が少し大きいくらいで、普通のオスとはよく近づかないと見分けがつかないらしい。
厄介なのは、メスの死後だ。
メスのブロントヴァイレスが死んだ後、なんとメスのお腹の中に居た子供ブロントヴァイレスが、一斉に羽化して飛び立つのだ。
一斉に産まれる子供ブロントヴァイレスの数は約20匹程。
子供ブロントヴァイレスの大きさは5メートル程で、あまり強くはないが、決して弱い訳でもない。
実際に子供ブロントヴァイレスによる被害も出てきている。
この事から、レーヴァテイン司令部はブロントヴァイレスのメスを【特別な攻撃対象】として指定した。
子供ブロントヴァイレスには武器を持たない一般人は敵わない。
野放しにしておくわけにはいかない。
そこで貴方の出番だ。
貴方にはメスのブロントヴァイレスの討伐、さらにメスから産まれた子供ブロントヴァイレスの討伐をお願いしたい。
連戦になる事は間違いない、決して油断の出来ない戦いになるだろう。
だが、誰かが倒さなければいけない敵だ。
健闘を祈る。
このエピソードはグランドプロローグ「崩壊の始まり」の連動エピソードです。
イベントで起きた様々な大事件の陰で、隠された物語をエピソードにしています。
歴史の狭間、真実の隙間を埋める物語へ参加してみてください。
なお「崩壊の始まり」にて選んだ選択肢と関係ないお話でも参加可能です。
解説
メスのブロントヴァイレス、さらにメスから産まれる子供ブロントヴァイレスが相手です。
メスはオスに数匹混じっています。
お腹が少し大きいので、近づけば分かるはずです。
メスを見つけた後は、その場で討伐するか、違う場所に連れ出して討伐するか、どちらでも構いません。
メスから産まれる子供ブロントヴァイレスは20匹程です。
大きさは5メートル程で、あまり強くはありませんが、ブロントヴァイレスには変わりはありません。
油断は禁物です。
仲間とチームを組んで戦うか、単独で討伐するかは、貴方次第です。
もし仲間と協力体勢をとる場合は、グループアクションということで『GA【グループ名】』という記述をアクションプランの冒頭に入れて下さい。
ゲームマスターより
皐月 遊です!
今回はメスのブロントヴァイレスが相手です。
メスから産まれる子供ブロントヴァイレスは20匹程という事で、戦闘がメインになるでしょう!
戦闘シーンを書くのが大好きなので、頑張ります!
プレイヤーの皆さんと一緒に面白い物語を作っていきたいです!
【隠れた真実】子供竜討伐作戦! エピソード情報
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担当 |
皐月 遊 GM
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相談期間 |
8 日
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ジャンル |
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タイプ |
EX
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出発日 |
2017/7/4 0
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難易度 |
普通
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報酬 |
通常
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公開日 |
2017/7/14 |
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『GA【子竜】』 ・メスを倒すまで まずはブロンドヴァイレスから少し離れた場所で待機。 ロイドさんにメスを連れ出してもらう。無事に連れ出せたら皆で気づかれる前に先制攻撃。 先制攻撃は死角から『シールドアタック』。 この攻撃で敵の注意が自分に向いたら、囮となって回避に専念し、その間に味方に攻撃してもらう。 注意が向かなければ、顔の近くを飛び回って挑発する。 それでもだめなら胴体の逆鱗を探し、そこを狙って攻撃を仕掛ける。 ・メスを倒した後 羽化してくる子供に自分を認識させ狙わせるために、すぐにメスに近づき武器を振り回しながら大声で叫ぶ。 狙われたら味方の攻撃しやすい位置に誘導して倒してもらう。 狙われなかったら接近戦の苦手な味方に近寄らせないように攻撃していく。 ※このエピソードで使用可能な武器が不明です。 とりあえず盾だけは使わせて欲しいです。
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GA名【子竜】 目的● 雌のブロントヴァイレスと子竜を討伐する 動機● てめぇらの好きなようにはさせねェ…運命すら変えてやる 作戦● 他の仲間は各個人のやり方を尊重したいらしいぜ なら、俺はそんな仲間たちが危険に晒されないように連携するか… 全体を見渡せる場所で、尚且つ他の竜たちに見えない位置で待機 誰かが母竜を釣って来たら、速やかに戦闘開始 躊躇いなく、遺恨は残さないように確実に殺(や)るぜ 使用武器は「銃」 有効射程と索敵能力の許す限り遠くから攻撃 そして、即座に撤退を繰り返して相手の戦力を削ぐ こちらの攻撃は大火力にはならねェし 本当はブロントに突っ込んでいってブチ殺してやりたいところだが、 今の俺には仲間が居るし、皆を信じるぜ だから、可能な限り竜共の隙ができるよう、仲間がそれを活用できるように俺は頑張る ※エスバイロの制御等はアニマのエストレーヤに任す
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蛇上 治
( スノウ )
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ヒューマン | マッドドクター | 25 歳 | 男性
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『GA【子竜】』 【前提】全体との齟齬が出る場合は全体に合わせる 【戦闘前】ロイドさんが連れ出してくれるのを連れ出す予定の場所で待つ、失敗時はフォローする 連れ出し後はロイドさんがダメージを負っていたら回復する、そうでない場合は攻撃 【戦闘】メスと子供のどちらにおいても共通して回復を主に行う 救急キットを持っていきそれで回復、空中戦ならエスバイロのナノマシンで機体の修復も担当 メス戦でも子供戦でも仲間のHPが5割を切っている場合はファストヒーリングを使う 回復の最優先は最もHPの減っている仲間 同じぐらい減っているなら防御の最も薄い仲間 フィーネさんが敵をひきつけるが敵が抜ける場合は他の仲間を庇う 回復の必要がない場合は攻撃に参加
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武器は大剣を装備。 空中戦の場合:敵と距離を開けないようにし、目に付く敵から倒していく。 敵が突っ込んできて、機体での迎撃が間に合わない、もしくは回避できない場合は持っている大剣で防御、間に合うならば攻撃する。 地上戦の場合:敵との戦闘時は至近距離を保ち、大剣で攻撃。出来れば大剣でなぎ払いを行い、複数の敵を一度に攻撃。 空中戦・地上戦両方の共通事項:敵を1~2体倒したら防御で様子見、何体かが集中してきたら一度距離をとる。1~2体が来る程度なら構わず攻撃続行。戦うのは楽しいですが、それに集中して死んでしまっては意味がありません。私はもっと楽しみたいのですから。 クラススキルは複数の敵を同時攻撃できる、距離をとるときに邪魔な敵がいる場合等の効果的な場面に使用。
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ニーア
( コロナ )
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フェアリア | マッドドクター | 6 歳 | 女性
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目的 子供ブロントヴァイレスを愛でる 動機 産まれたばかりこの子は、きっと可愛らしいでしょうから。一匹だけでも愛でてあげたいわぁ 行動 まずは子供を産んでもらうために、皆にメスのブロントヴァイレスを殺してもらいましょう。その間、治療や修理等をして皆の支援をしてあげましょうかね。子供が生まれたら…愛でに行きましょう。撫でたり、抱きしめたり、毛繕いしたり、キスしたり。いっぱいいっぱい、愛してあげる。こっちにも好意を持ってくれると、いいのだけれど。 満足いくまで愛でたら…お持ち帰りしましょう。愛でて、愛でて…愛おしくなったら、殺してあげないと。 あぁ、でも…ここで愛おしく感じちゃったら、ここで殺しちゃっても良いかもしれないわねぇ…。その時の快感は、きっと素敵なものだろうから…♡
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地上から逆鱗を狙撃する。 アニマ《ヒガネ》には人形を載せたエスバイロを遠隔操作してもらい、攻撃を仕掛けてヘイトを稼いでもらいつつ囮と味方の盾をしてもらう。 攻撃用の弾は着弾後に敵体内に残留し爆ぜるように炸裂する弾を使用する。 自分は迷彩シート等を利用して隠れつつ狙撃、隙を見て移動し、隠れて狙撃を繰り返す。 無理の無い範囲で相手の攻撃や回避を妨害する。 戦闘開始時には敵の目を狙って粘度の高い剥がれにくいペイント弾を撃ち、視界を潰す。 戦闘前に時間があれば塹壕を製作し、その上に草を被せカムフラージュする。
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【子竜】 メスを誘き寄せ、群れから引き離す。俺はその引き離し役だ きゃるーん☆テンペストによりメスの怒りを買い、俺の方へ引きつける ただ範囲対象なので他のオスも追従するかもしれない。その場合は機を見て再度怒りを誘い、可能な限りメスだけを群れから引き離して戦えるよう心がけよう あまり誘い出しばかりに腐心しても非効率だ。メス以外の個体が1,2体なら、攻勢に転じて良いと思う 連れ出しを続けるか、攻勢に出るかは、GAの仲間と声を掛け合いながら決める 俺の攻撃を無闇に撃てば仲間への誤射も有り得るかもしれん あまり焦らず、攻撃のタイミングは誤射が起こらんと確信した時か、誤射してでもその攻撃で多数の敵を攻撃することができ、結果的に被害を低減させることができそうだと判断した時のみ 特に大量の子竜については、誰かが群がられたりした時はそういう選択肢を取ることになるやもしれん 誤射後は誤射対象を特に援護する
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【子竜】 オスに割り込まれないようにメスを連れ出す作戦に協力。 連れ出しはロイドさんに任せるわ。 「勝手に単独行動してくれてたら、わざわざ連れ出さなくても済んだのに。ホント面倒よね」 戦闘ではクラススキル「エクステリアメルト」による弱体化を維持。 「ソッコーでやられたちゃったりしてもらえると、楽でいいんだけど。面倒だから抵抗なんてしちゃダメよ。」 それなりに装甲ありそうだから、攻撃するときは味方が攻撃している場所と同じところを慎重に狙い撃ち。 「わたし、無駄玉なんて撃つ気ないから」 メスを退治した後は子竜と戦闘ね。 子供は20匹もいるのよね。 でも、順番に出てくると思うから、最初のうちに集中砲火を浴びせておけば、かなり数を減らせるんじゃない? で、数を減らしてから弱体化するのが最も効率的って思うんだけど、どうかしらね。 「まぁ、何とかなるでしょ。行くわよ、星玲奈。」
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参加者一覧
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蛇上 治
( スノウ )
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ヒューマン | マッドドクター | 25 歳 | 男性
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ニーア
( コロナ )
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フェアリア | マッドドクター | 6 歳 | 女性
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リザルト
「ブロントヴァイレスのメスは危険だ! 急いで討伐してくれ!」
その情報がレーヴァテイン司令部から入ったのは、つい先程の事だ、どうやらブロントヴァイレスにはメスが居るらしい。
レーヴァテイン司令部によると、ブロントヴァイレスのメスはお腹が少し大きいくらいで、普通のオスとはよく近づかないと見分けがつかないらしい。
メスが居るからどうしたんだ。 と思うかも知れないが。厄介なのは、メスの死後だ。
メスのブロントヴァイレスが死んだ後、なんとメスのお腹の中に居た子供ブロントヴァイレスが、一斉に羽化して飛び立つのだ。
一斉に産まれる子供ブロントヴァイレスの数は約20匹程。
子供ブロントヴァイレスの大きさは5メートル程で、あまり強くはないが、決して弱い訳でもない。
実際に子供ブロントヴァイレスによる被害も出てきている。
この事から、レーヴァテイン司令部はブロントヴァイレスのメスを【特別な攻撃対象】として指定した。
子供ブロントヴァイレスには武器を持たない一般人は敵わない。
野放しにしておくわけにはいかない。
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【メスの脅威】
これは、まだ冒険者達にメスの存在が知られていない時の出来事である。
「死ねぇっ!」
「これで……終わりです!」
「消えろ!」
3人の戦闘員が1体のブロントヴァイレスと戦っている。
3人の連携はとても良く、お互いに助け合いながらブロントヴァイレスに攻撃を与えていた。
ブロントヴァイレスは3人の連携に翻弄され、まともに攻撃する事が出来ていない。
それほどまでにこの3人の連携は素晴らしいのだ。
それからも3人の連携は崩れず、連続でブロントヴァイレスに攻撃を与えていくと、やがてブロントヴァイレスは力を失い、トドメに3人で同時にブロントヴァイレスを斬りつける。
斬られたブロントヴァイレスは、ゆっくりと地面に落ちていき、絶命した。
「よっしゃ! ブロントヴァイレス討伐だな!」
「あぁ! 俺ら3人なら無敵だぜ!」
「僕達がやる事はまだあります。 他の戦場へ向かいましょう」
3人がそんな話をしている間、先程倒したブロントヴァイレスの身体に異変が起きていた。
だが、3人はそれに気づいていない。
「そう言えばよ、さっきのブロントヴァイレス、他のブロントヴァイレスより腹がでかくなかったか?」
「そうか? 大食いだったんだろ」
「……え……? な、なんですか……あれは……?」
3人の内の1人が何かに怯えながら言う。
怯えている男が見ている先にあるのは、先程倒したブロントヴァイレスの死体だ。
先程倒したブロントヴァイレスの腹が、どんどん膨らんできているのだ。
それを見た他の2人も怯え出す。
この3人が怯えるのも当たり前だ。 ”倒したブロントヴァイレスの腹が膨らむ” こんな情報は今までなかった。
という事は、この現象を目撃したのはこの3人が初めてという事になる。
「なんだよあれ……!?」
「おいおい……! なんかヤバイんじゃねぇか!?」
「と……とにかく! まずはこの事をレーヴァテイン司令部に報告に行きましょう……!」
そう決め、この場から離れようとした時。
バァン! という何かの破裂音が聞こえた。
3人は、恐る恐るブロントヴァイレスの死体を見る。
すると……
そこに居たのは、大量の小さなブロントヴァイレスだった。
大量のブロントヴァイレスは、ジッと3人を見ている。
「はっ……はは……なんだよあれ……子供か……?」
「くそっ……! ブロントヴァイレスにメスが居るなんて聞いてねぇぞ!」
大量の小さなブロントヴァイレスは、一斉に3人に向かってくる。
「くそっ……おい! ここは俺達が食い止めるから、お前は増援を呼んできてくれ!」
「え!? ぼ、僕が!?」
「この中で1番戦闘が得意じゃないのはお前だろ! 早く行け!」
2人にそう言われ、男は全速力でその場から離れた。
戦場から離れた男は、レーヴァテイン司令部に行き、メスのブロントヴァイレスが居る事を伝えた。
それから他の戦闘員と共に先程の戦場に戻ると、そこにあったのは2人のエスバイロと武器、2人のものと思われる血の跡だけだった。
その後、レーヴァテイン司令部は、メスのブロントヴァイレスが戦場に居る事と、メスのブロントヴァイレスを【特別な攻撃対象】にする事を皆に伝えた。
この事を知った冒険者達は、早速メスのブロントヴァイレスを討伐する為に戦場へ向かった。
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【本の恨み】
メスのブロントヴァイレスが居たという情報があった戦場で、ブロントヴァイレス達が暴れまわっていた。
ブロントヴァイレスは、空を飛ぶ船を容赦なく落としたり、建物を破壊したりなどしている。
そんなブロントヴァイレス達が暴れまわる戦場に、数人の冒険者が姿を現した。
冒険者達の前には、ブロントヴァイレスの群れがある。
その群れの中に、よく見ると腹が大きい個体が居る。
それがメスのブロントヴァイレスだ。
メスのブロントヴァイレスを狙い、【ロイド・ケニングス】は放射状に広がるかわいい形の光線を射出して攻撃する。
攻撃されたメスのブロントヴァイレスはロイド・ケニングスの方を見る。
「さあ、追って来い! お前を滅ぼす敵、魔法少女ロイドはここにいるぞ!」
ロイド・ケニングスは声を張り上げる。
すると、【きゃるーん☆テンペスト】の効果により、メスのブロントヴァイレスと、その隣に居たオスのブロントヴァイレスがロイド・ケニングスの元へ向かってくる。
「オスまで付いてきたか……!」
きゃるーん☆テンペストは、オスのブロントヴァイレスも範囲対象だ。
だからメスのブロントヴァイレスと共に来てしまったのだ。
「あのオスは俺が引き受ける」
【ヴァン・ホゥテン】はそう言うと、オスのブロントヴァイレスに一撃攻撃し、オスの注意を引くと、オスを引き連れて遠くへ行った。
「……よし、ヒガネ、後は頼むぜ」
《任せて》
ヴァン・ホゥテンは一旦地面にエスバイロを止め、エスバイロから降りてエスバイロに人形を乗せる。
そしてヴァン・ホゥテンのアニマ【ヒガネ】の遠隔操作により、無人のエスバイロは空を飛ぶ。
「はぁ、お前らの落としてくれた船にはよ。前時代でも珍しい稀覯本が乗ってたんだぜ?」
地上で1人、ヴァン・ホゥテンは、話しかけるように呟く。
視線の先に居るのは一体のブロントヴァイレス、先程引き連れてきたオスのブロントヴァイレスだ。
だが、そのブロントヴァイレスはヴァン・ホゥテンには気づいていない、何故なら、ブロントヴァイレスの周りをヴァン・ホゥテンのアニマ【ヒガネ】が、人形を乗せたエスバイロを遠隔操作し、攻撃を仕掛けてヘイトを稼いで囮になっているからだ。
「いつか読みてぇと思ってたのによゥ。てめぇらのせいで全部パーだ」
ヴァン・ホゥテンは、銃を構え、こちらに気づいていないブロントヴァイレスに狙いを定める。
「まぁ、あれだ」
殺気が満ちる。 ヴァン・ホゥテンは今、物凄く怒っている。
「本を駄目にした報いだ。疾く死ね」
パァン! と、いう静かな音と共に、ヴァン・ホゥテンの銃からペイント弾がブロントヴァイレスの目に真っ直ぐ向かって行く。
そして、吸い込まれるようにブロントヴァイレスの目にペイント弾が当たると、視界を潰されたブロントヴァイレスは焦り出し、空中でジタバタしだす。
《カッコつけてないでさっさと作戦始めるわよヴァン》
そこに、呆れたようなヴァン・ホゥテンのアニマ【ヒガネ】が言う。
「ったく、分かったぜヒガネ。はいはい、作戦開始~っと」
《拗ねないの!》
そんなやり取りの後、本格的に戦闘が開始した。
ヴァン・ホゥテンは、素早くペイント弾から攻撃用の弾に入れ替え、ブロントヴァイレスを狙う。
「狙いやすすぎるぜ」
3発。 ヴァン・ホゥテンの銃から3発の銃弾がブロントヴァイレスに着弾する。
今ヴァン・ホゥテンが撃った銃弾は特殊なもので、着弾後に敵体内に残留し爆ぜるように炸裂するという効果があるのだ。
そして、そんな効果がある銃弾はたった今、ブロントヴァイレスに着弾した。
「終わりだ」
数秒後、ブロントヴァイレスの身体が膨れあがり、破裂してブロントヴァイレスは絶命した。
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【メスのブロントヴァイレス討伐】
メスを引き連れ、ロイド・ケニングスは仲間達が待つ合流地点へとやって来た。
「ロイドさん! こっちへ来て下さい! 回復させます!」
「すまない! 頼む」
ロイド・ケニングスに【蛇上 治】が言う。
メスを連れてくる途中、多少だがダメージを負ってしまった為だ。
ロイド・ケニングスが蛇上 治の元へ向かい、一旦2人はブロントヴァイレスから離れる。
そして、残りの冒険者達によるブロントヴァイレス狩りが始まった。
ブロントヴァイレスの死角から、【子龍】の【フィーネ・カデンツァ】が【シールドアタック】で攻撃する。
シールドアタックにより、ブロントヴァイレスがフィーネ・カデンツァの方を向く、どうやらブロントヴァイレスはフィーネ・カデンツァに狙いを定めたらしい。
「今の内に攻撃を!」
フィーネ・カデンツァがメスのブロントヴァイレスの攻撃を避けながらそう叫ぶと、他の冒険者達が一斉に攻撃を開始する。
「ソッコーでやられたちゃったりしてもらえると、楽でいいんだけど。面倒だから抵抗なんてしちゃダメよ」
【有馬 芽依】は、そう言ってブロントヴァイレスに【エクステリアメルト】を使い、弱体化させる。
「てめぇらの好きなようにはさせねェ……運命すら変えてやる」
【ティラエル・レクス・フェルファヴニル】は、有馬 芽依によって弱体化したブロントヴァイレスの逆鱗を狙って銃弾を数発撃つ。
ティラエル・レクス・フェルファヴニルの撃った銃弾はブロントヴァイレスの逆鱗に全弾命中し、弱点を攻撃されたブロントヴァイレスは叫ぶ。
「わたし、無駄玉なんて撃つ気ないから」
有馬 芽衣は先程ティラエル・レクス・フェルファヴニルが撃った場所と同じ場所を狙い撃つ。
それにより、ブロントヴァイレスは怒り、近くに居たフィーネ・カデンツァに攻撃をしだす。
フィーネ・カデンツァは、ブロントヴァイレスの攻撃を躱しながら片手剣で反撃をしていく。
フィーネ・カデンツァがブロントヴァイレスと戦っている間、ティラエル・レクス・フェルファヴニルと有馬 芽衣は次の攻撃の準備をする。
「破壊と捕食しか知らない竜共に、私達の強さを教えてあげるわ。 協力という強さをね」
フィーネ・カデンツァは、エスバイロでメスのブロントヴァイレスの目の近くまで行き、片手剣で思い切り目を刺す。
すると、ブロントヴァイレスは鼓膜が破れそうになる程の大きな声で叫ぶ。
「トドメをお願いします!!」
フィーネ・カデンツァが大声で叫び、ブロントヴァイレスから離れると、ティラエル・レクス・フェルファヴニルと有馬 芽衣は先程と同じく2人でメスのブロントヴァイレスの逆鱗を攻撃する。
すると、メスのブロントヴァイレスは力尽きたのか、地面に落ちていった。
…………本番はここからだ。
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【子供ブロントヴァイレス討伐】
絶命したメスのブロントヴァイレスの腹が異常な程膨らんでいき、限界がきたのかメスのブロントヴァイレスの腹が破裂し、大量の子供ブロントヴァイレスが飛び出してきた。
その数は情報通り20体程だ。
子供ブロントヴァイレスが産まれると、フィーネ・カデンツァはすぐにメスの死体の元へ向かい、武器を振り回す。
「ほらほら、私を食べたくはないの?」
そう言うと、子供ブロントヴァイレス達はフィーネ・カデンツァを狙いだす。
子供ブロントヴァイレスがフィーネ・カデンツァの元へ向かうと、フィーネ・カデンツァは子供ブロントヴァイレスを連れて冒険者の元へ向かう。
「今の内に攻撃お願いします!」
フィーネ・カデンツァがそう言うと、皆一斉に攻撃を開始する。
「怪我人は誰も居ないみたいだし、俺も戦うか。 覚悟しろよお前ら」
ロイド・ケニングスと共に戦場から離れていた蛇上 治が注射器を持ちながら言う。
蛇上 治の変わりように他の冒険者が驚いた顔をするが、蛇上 治はエスバイロで一気に子供ブロントヴァイレスの元へ行く。
蛇上 治は1体の子供ブロントヴァイレスの身体に注射器を突き刺し、直ぐに距離を取る。
子供ブロントヴァイレスには痛みないらしく、蛇上 治の元に向かってくる。
「5……4……3……2……1。 はい、お前死亡」
蛇上 治がそう言った瞬間、注射器を刺された子供ブロントヴァイレスが急に苦しそうに暴れ出した。
数秒間暴れた子供ブロントヴァイレスは、力尽きたのか地面に落下し、動かなくなった。
「さっきお前に刺した注射、あれ毒が入ってたんだ」
蛇上 治は残りの子供ブロントヴァイレスを見回し。
「さて……次は誰に注射してやろうかな」
と、新たな注射器を握りながら言った。
「こちらには8体来ましたか。 楽しめそうですね 」
【アルヴィン・メイス】は、他の冒険者から少し離れた場所に居た。
アルヴィン・メイスは、自分の元に向かってくる8体の子供ブロントヴァイレスを見て微笑みながら呟く。
そして大剣を構えると、エスバイロで一気に前進し、戦闘に居た1体の子供ブロントヴァイレスを斬り裂く。
「まずは1体ですね。 さぁ、私を楽しませて下さい」
子供ブロントヴァイレス1体を絶命させた後、一旦距離を取り、子供ブロントヴァイレスの動きを見る。
すると、7体になった子供ブロントヴァイレスは、散らばり始めた。
「……なるほど、乱戦ですか。 いいでしょう」
子供ブロントヴァイレスがそれぞれ違う方向からアルヴィン・メイスに向かってくる。
「2体目……3体目討伐っと……」
大剣を巧みに使い、一撃で仕留めていく。
3体目の子供ブロントヴァイレスを倒した後、また距離を取る。
5体になったブロントヴァイレスは焦り出したのか、纏まって向かってくる。
「あー……纏まって来ちゃいましたか……残念です」
アルヴィン・メイスは、両手剣を持つ手に力を入れ、スキル【デュエルブラッディ】を使い、5体を纏めて攻撃する。
雷鳴に似た轟音が響き、5体の子供ブロントヴァイレスは同時に絶命した。
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【愛情……?】
「よーしよしよしよし、いい子ですねぇ~」
他の冒険者が子供ブロントヴァイレスと戦っている間、【ニーア】は冒険者から離れた場所に来ていた。
そして、そのニーアが抱えているのは……1体の子供ブロントヴァイレスだ。
「抱き心地はこんななのかぁ、ふふっ、ぎゅー」
ニーアは子供ブロントヴァイレスを恐れずに抱きしめる。 対する子供ブロントヴァイレスも何故かニーアを攻撃しようとはせず、大人しくしている。
「ほら、ちゃんと手入れしないと。見た目、大事よぉ? んふ、ちゅー♪」
ニーアは子供ブロントヴァイレスを我が子のように可愛がる。
ニーアが抱いている生物をブロントヴァイレスだと思わなければ、飼い主とペットがじゃれあっているようにしか見えないだろう。
……そして、ニーアはポケットから1つの注射器を取り出す。
「素敵なプレゼントがあるの。受け取ってね?」
子供ブロントヴァイレスは、首を傾げる。
そんな子供ブロントヴァイレスに、ニーアは迷わず注射器を突き刺す。
注射器を刺された直後、子供ブロントヴァイレスは暴れ出す。 それにより、ニーアの頬に傷がつき、血が流れる。
だが、ニーアはそんな事は気にせずにただただ子供ブロントヴァイレスを見る。
子供ブロントヴァイレスは、ひたすら暴れていたが、徐々に力を失っていき、痙攣した後動かなくなった。
……息はしていない。
「あはぁ……っあなた、とっても……素敵、だったわぁ」
先程まで我が子のように可愛がっていた子供ブロントヴァイレスの死体を見て、ニーアはそう呟いた。
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【エピローグ】
冒険者達の活躍によって、このとても広い戦場からメスのブロントヴァイレスが1体消えた。
だが、メスのブロントヴァイレスは1体だけではない。 メスのブロントヴァイレスはまだ戦場に残っているのだ。
戦場にメスのブロントヴァイレスが残っているという事は、また子供ブロントヴァイレスが産まれるという事だ。
今回はメスのブロントヴァイレスを他のブロントヴァイレスから離すこと出来たからスムーズに子供ブロントヴァイレスを倒す事が出来たが。
これがもし、ブロントヴァイレスの群れだったらどうだっただろうか。
他に大人のブロントヴァイレスが沢山居る中でメスのブロントヴァイレスを倒したとしたら、新しくブロントヴァイレスの群れに大量の子供ブロントヴァイレスが加わる事になる。
そんな事になったら、討伐は難しかっただろう。
だが、冒険者達はメスのブロントヴァイレスを群れから連れ出し、圧倒的有利な状況で戦った。
冒険者同士、互いに助け合い協力して【特別な攻撃対象】であるメスのブロントヴァイレスと、そのメスのブロントヴァイレスから産まれる子供ブロントヴァイレスを討伐する事に成功したのだ。
メスのブロントヴァイレスと、メスから産まれる子供ブロントヴァイレスは、確かに強敵だった。
だが、皆で協力すれば倒せない敵ではない事が今回分かった。
メスのブロントヴァイレスと子供ブロントヴァイレスの討伐に成功した事は、レーヴァテイン司令部から戦場にいる皆に伝えられた。
そして、メスのブロントヴァイレスを見つけた時は、メスのブロントヴァイレスを連れ出して討伐するのが安全だという事もレーヴァテイン司令部から戦場にいる皆に伝えられた。
これにより、メスのブロントヴァイレスによる被害は減るだろう。
依頼結果
依頼相談掲示板