「2番ユニットの回復出来た!」
「オッケー! じゃ、こっち手伝って!」
船の損傷を補強する小隊の一つが、食糧製造プラントの一つを急ピッチで修復していた。
アビスメシア教団員により破壊されたそこは、幸い部品の一部取り替えと補修で機能を回復させることができる。
修復に取りかかっているのは、正規の隊員ではなく協力を頼まれた民間のエンジニア。
その小隊の正規の補修隊員は、アビスメシア教団員の襲撃により重傷を負い数が足らず、護衛役の出来る隊員に頼まれ協力していた。
リーダー格の最年長の男の指示に従い、3人だけであるのに修復は次々終っていく。
このままのスピードであれば、あと僅かもしない内に修復を終える。その時だった。
「おい! なにしてる貴様ら!」
怒鳴り声をあげ、アビスメシア教の一団が走り寄ってくる。
即座に護衛役の隊員たち5名は迎撃に走り出しながら、
「大丈夫! 守りますから! 貴方達は修復に集中して!」
安心させるように力強く声を上げる。
だが、状況はかなり悪い。
いま修復している食料製造プラントに直接つながる通路は、横に数人が広がって戦える程度の広さしか無いため、10人以上いる教団員が一斉になだれ込んでくることは無い。
しかし、そこに通じる資材搬入用の通路は十分に広く、一度になだれ込んで来ない教団員が蓋をする形で陣取っている。
教団員は飛び道具は持っていないようだが、数の有利を活かし、護衛役の隊員を代わる代わる人員を入れ替え襲い掛かっていた。
万全の状態ならともかく、ここに来るまでに繰り返された教団員との戦闘で疲弊している隊員たちでは、いずれ食い破られるのは目に見えている。
確実に迫る破滅の未来。
それを間近に感じ、手の止まった若いエンジニア2人に、
「手ぇ止めんな! いま俺たちがやれることをしないでどうする!」
最年長の男の檄で、若い2人の男女は作業を再開する。
恐怖に震える自分を無理やり抑え込み、作業速度を上げていった。
だが、それでも愚痴は出てしまう。
「ちくしょう、なんだよこれ。せっかく直しても、また壊されちまうんじゃないかよ」
泣き言を言いながらも手を止めない若い男に、
「大丈夫だって。今日の運勢はハードラックでラッキーなんだから」
若い女は自分を誤魔化すように声を返す。
「なんだよそれ。運か良いのか悪いのかどっちだよ」
「不運に巡り合うけど、思わぬ助けが来るんだってさ。外れたらあの占い師、ぶん殴ってやる」
「……そうだな。その時は俺も一緒に行ってやるよ。ちくしょう……」
泣き笑いのような表情で自分を鼓舞しながら、修復は続けられた。
この状況に、貴方たちは巡り合わさりました。
アビスメシア教団員の撃退や、要救助者を探すために船の中を走っていた貴方たちは、資材搬入用の大きな通路の曲がり角を曲がった所で、アビスメシア教団員たちに気付きます。
貴方達がこの状況に気付いた時、アビスメシア教団員と貴方達の距離は直線で20mほど。遮蔽物はありません。
戦っている声や音から、資材搬入用の大きな通路に繋がる、より小さい通路の先を目指して襲撃しているのが分かります。
アビスメシア教団員たちは、いま襲撃している相手に集中しているために、貴方達に気付けていません。
巧く素早く近付いて攻撃できれば、不意打ちをする事が出来るでしょう。
あるいは、あえて貴方達の存在を声などで知らせ注意をひく事で、いま襲われている人達が受けている攻撃の手を薄れさせることも出来るでしょう。
どう戦うかは、貴方達の選択次第です。
貴方達は、何をどう考え選択するのか? 貴方達の戦いを、ぜひ見せて下さい。
このエピソードはグランドプロローグ「崩壊の始まり」の連動エピソードです。
イベントで起きた様々な大事件の陰で、隠された物語をエピソードにしています。
歴史の狭間、真実の隙間を埋める物語へ参加してみてください。
なお「崩壊の始まり」にて選んだ選択肢と関係ないお話でも参加可能です。
状況説明
食糧製造プラントの修復を邪魔するアビスメシア教団員を殲滅して下さい。
アビスメシア教団員の生死は問いません。
戦闘不能になるほどのダメージを与えれば、そこから止めを刺す事も出来ますし、護衛の隊員が持っている捕縛用の縄で動けなくする事も出来ます。
戦闘不能になるほどのダメージを与えれば、気絶相当の状態になるので、即座に縛るなどの必要はありません。
基本的な状況は、プロローグに書かれている通りです。
敵の人数は14人。飛び道具は持ちませんが、刃物などで武装しているのが見て分かります。
爆発物も、持っていないように見えます。
成功条件
あくまでもアビスメシア教団員の殲滅です。
なので、補修をしているエンジニア達や護衛の隊員、食糧製造プラントの無事は成功条件には含みません。
あくまでも成功条件なので、もちろん全員の無事と食糧製造プラントを守ることも可能です。
資材搬入用の大きな通路に居るアビスメシア教団員を数人が引き付けている間に、細い通路で戦闘を行っている隊員の助けに向かうなど、やり方次第で十分可能です。
ただし、その場合は、人数に勝る相手を一時的に少数で引き受けて耐える、などの状況になるかもしれませんので、注意が必要です。
参加される皆さんの連携などが重要になってきます。
解説は以上です。
それでは、アビスメシア教団員を皆さんの力で倒して下さい。
はじめまして。春夏秋冬と申します。
少しでも楽しんて頂けるように、判定にリザルトノベルに頑張ります。
【隠れた真実】インフラ回復を助けよう エピソード情報 | |||||
---|---|---|---|---|---|
担当 | 春夏秋冬 GM | 相談期間 | 10 日 | ||
ジャンル | --- | タイプ | EX | 出発日 | 2017/7/6 0 |
難易度 | 普通 | 報酬 | 通常 | 公開日 | 2017/7/16 |
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参加者一覧
コウユウ ( ヒナ ) | |
ヒューマン | ガーディアン | 25 歳 | 男性 |
レイ・ヘルメス ( UNO ) | |
ドワーフ | ハッカー | 44 歳 | 男性 |
ダグラス・ノイマン ( メルニュクス・ノイマン ) | |
ドワーフ | ガーディアン | 33 歳 | 男性 |
ステファニー ( クラリス ) | |
デモニック | ハッカー | 20 歳 | 女性 |
レンズ・レグランス ( ロロ ) | |
デモニック | マッドドクター | 26 歳 | 男性 |
レイウズ・ブラムハイン ( スミレリア ) | |
エルフ | ハッカー | 54 歳 | 男性 |
エリック・ブレイスフォード ( アルメリア ) | |
ドワーフ | マーセナリー | 28 歳 | 男性 |
リザルト
● 突撃前に役割分担
アビスメシア教団員の撃退や、要救助者を探すために船の中を走っていた探究者達は、資材搬入用の大きな通路の曲がり角の手前で戦闘音に気付いた。
「アビスメシア教団員だ。誰かが襲われているぞ」
状況把握のため、索敵能力の高いレンズ・レグランスが曲がり角に隠れて確認し、仲間に伝える。それを聞いて、
「この通路の先には、横に分かれる細い通路に、食糧生産用のプラントがあった筈だ。そこを修理、もしくは守っている誰かを襲っているのではないかな?」
落ち着いた雰囲気で言ったのはレイウズ・ブラムハイン。戦闘があった際に、周囲の被害を考えて、建築構造を調べていた彼の事前準備が役に立つ。
状況把握は、周囲の環境確認だけに留まらず、敵の確認も怠らない。
「数は、こちらから見えている限り9人ね。横の通路に何人いるかは分からないけれど。数は向こうの方が多いわね。慎重に行きましょう」
索敵能力が高いステファニーも、状況を確認し皆に伝える。それに、
「随分と、数が多いようだ。その上、誰かが襲われているのなら、その救出も考えないとならないだろうね。手強い戦いになりそうだ」
僅かに楽しげに返すのはレイ・ヘルメス。どこかゲームを楽しむような響きを声には滲ませていたが、その状況分析は正しく、戦いに挑む意気込みは本物だ。そして、
「助けられる相手なら、助けようぜ。もちろん、食糧生産用のプラントも、きっちり守ってな」
力強く言ったのは、エリック・ブレイスフォード。彼はレイウズの口にした食糧生産用のプラントの無事も考えて、意気込みを口にする。
それに賛同したのはダグラス・ノイマンだ。
「同感だ。モノも人も大事な財産、どっちも出来るだけ助けたいもんだ。それと救出するなら、救出のタイミングは全面的にエリックに任せる。追従する形の方が連携効率は上がりそうだからな」
こうして話が進む中、最後の要を口にしたのはコウユウ。
「助けに行くなら、その隙を作る役目がいるよな。引き付ける役目は任せてくれ。あっ、でも攻撃力はないんで、別にアレを倒してしまったりは出来ないんで悪しからず!」
冗談めかして言いながら、熱い物を込め、もっとも危険な役目を引き受ける。
そうして戦いの準備を整えた所で、皆は一斉に跳び出した。
● いざ突撃
まず最初に跳び出したのは、動きの素早いダグラスとエリック。その後に連いて出る形で、挑発役のコウユウ。そしてレンズも後に続く。
彼らから僅かに遅れて出たのは、遠距離攻撃役のレイと、ステファニー。そしてレイウズだ。
この時点では、アビスメシア教団員は探究者達に気付いていない。食糧生産プラントへと続く通路での戦いに集中し過ぎていた。
だからこそ、遠距離攻撃役の開戦の一撃は、痛打となって叩きこまれる。
「UNO、少々負荷が高くなるがやってくれるね?」
「勿論よ兄様。その為に私は居るので存分にお使い下さいな。兄様の力になりたいの」
レイは自らのアニマ、UNOの支援を受けた一撃を放つ。入力端末を介し世界に干渉し、生み出したマジックミサイルを叩きこんだ。
その一撃は、教団員の1人の側頭部に命中。即座に倒れるほどではなかったが、一時的に動きを止めるほどの打撃を与えた。
アビスメシア教団員に衝撃が走る。その動揺を広げるように、続けて攻撃を放ったのはステファニーだ。
「クラリス、指揮を取ってる人は誰かわかる?」
教団員への打撃を最大にするべく、攻撃前に自らの愛しいアニマ、クラリスに尋ねる。するとクラリスは、
「……、……っ!」
レイの先制攻撃で浮足立ったアビスメシア教団員の中で、慌てて指示を出そうとした1人を見極め、指さしで伝える。
「ありがとう、クラリス」
優しく礼を一つ返し、即座にマジックミサイルを放つ。それは真っ直ぐに、狙った相手の胴に叩きこまれ、受けた教団員は衝撃で動きも言葉も止まる。
リーダー役が攻撃を受け、混乱が広がる中、すかさず追撃をレイウズが放った。
「さて、見たところ特別な装備はなさそうだが、警戒はしておくべきだろうな」
「はい。索敵は、私がします。だから安心して、攻撃に集中して下さい」
「心強いな。では任せよう。スミレ」
レイウズは自らのアニマ、スミレリアの援護を受けながら、的確に敵の一人の急所に攻撃を叩きこんだ。
立て続けに受けた不意打ちの遠距離攻撃。それにより混乱する教団員の只中に、コウユウが突っ込む。
横合いから殴りかかるようにして盾を叩き付ける。それにより周囲の視線が向かう中、
「天空よりの使者、コウユウ参上!」
名乗りを上げると同時に、ドヤ顔で両手を斜め上に広げ、手首を下に曲げ右足を上げる。
「おいおい、アンタらも悪の組織の端くれなら、決めポーズくらい用意しとけよな。ほぉーら、こういうのはどうだぁー? アービースー……メシアー!」
敵は混乱にある中、この挑発は非常に良く効いた。お蔭で、4人ほど一斉に襲い掛かってくる。
「巧くいったね。ピンチになったけど」
「見せ場が出来たと言ってくれ!」
コウユウは自らのアニマ、ヒナと掛け合いをしながら敵をさばいていく。
しかし、多勢に無勢。横合いから防ぎようのない一撃を食らいそうになるが、
「させるかよ!」
エリックが迎撃。両手剣の重い一撃を叩きこむ。
その一撃を受け、教団員の一人は倒れ伏す。その瞬間、
「エリック、右から敵。避けて」
エリックのアニマ、アルメリアのサポートが。右からの斬撃をかわし距離を取る。
「ありがとう、アルメリア」
礼を返し、更にエリックは遊撃として動く。それにより、コウユウに向かう敵は一瞬減ったが、すぐに他の敵も加わる。
そのため、結構なダメージを受けるコウユウ。
ピンチではあったが、遠距離攻撃組のレイとステファニー、そしてレイウズが攻撃を放ち分断した所で、エリックとダグラスが横合いから攻撃する。
僅かに、コウユウに向かう敵を抑える。その隙に、
「回復する! 任せろ!」
レンズが回復させる。そうして回復させるとすぐに動き回り、
「フフハハハ! どれだけ傷付いても私が治す! だから諦めるな! すぐにそちらにも助けに向かう!」
食糧生産プラントへと通じる通路で戦っている、護衛たちに声を掛け元気付ける。更に、
「右から来てるぞ! 気を付けろ!」
回復に動きながらも敵の動きを見極め、仲間に声を上げ伝える。
「お兄ちゃん! 頑張れー!」
レンズは自らのアニマ、ロロの声援を受けながら頑張った。
そうした中、護衛たちの救援に動くため、周囲を見渡していたダグラスは、
「メル。そろそろ行けそうか?」
周囲の状況をマッピングして貰っていた自らのアニマ、メルニュクス・ノイマンに訊く。
「大丈夫よ、マスター。あとは、救援に向かうタイミングを決めるだけよ」
戦いの中にあっても淑女のように落ち着いた声で返すメルに、ダグラスは礼を返しながらエリックの元に。それに気付いたエリックは、
「アルメリア、抜けられそうか?」
「エリック、今なら、大丈夫」
アルメリアの意見も聞きながら、救援に向かうことを決意する。
それに気付き、アビスメシア教団員は襲い掛かろうとするが、遠距離攻撃組のレイとステファニー、そしてレイウズの攻撃が動きを止める。
そこへ更に、コウユウが挑発する事で引き付け、サポートにレンズが動きまくる。
仲間の援護の甲斐もあり、ダグラスとエリックは大通路から戦線離脱。食糧生産用プラントへと続く通路へと踏み込んだ。
● 救援攻撃
ダグラスは護衛の小隊員とアビスメシア教団員が混戦する中、戦況が不利な護衛の1人を見極め跳び込む。
アビスメシア教団員はギリギリで気付くが、すでに遅い。ダグラスの一撃を受け、憎悪の眼差しを向ける。
しかしダグラスは、それを受け流しながら、
「全く、人様の大事にしてるモンは壊しちゃいけませんってな事をママから教えてもらえなかったんかね? まあ、そういう常識よりヘンテコな理屈の方が先に出て来るような考えだから、こんなけったいな教団なんて作ってるんだろうけどな」
アビスメシア教団員の冷静さを奪うように挑発する。その挑発を受け流すことが出来ず、襲い掛かってくる教団員。
だが、それを軽やかに回避。カウンターの一撃を叩きこみ、戦闘不能に追い込んだ。
これに護衛の小隊員は礼を返し、素早く持っていた縄で教団員を縛っていく。
危険が無いことを確認したダグラスは、残りの戦闘に視線を向ける。
「マスター、お仕事はまだまだ残ってるわよ。頑張らないと。お仕事は大切なんだから」
しっかり者、といったメルニュクス・ノイマンの言葉に、ダグラスは肩をすくめるように返しながら、
「仕事はキッチリこさないとな。残業するのもまっぴらごめんだし、ここで終わらせないとな」
混戦の中に跳び込んだ。
この時点で、戦況は有利に動く。数は7対4となり、数の上でも有利な上、ダグラスとエリックが救援に来たことで、護衛の隊員たちの士気が上がっている。
探究者達の取った救援策は、キッチリ効果を上げていた。
もし救援なしであれば、士気の下がっていた護衛隊員たちの内、2、3人は、死にはしないが軽くない怪我を受けていただろうが、それを回避する。
それを可能にしたのは、大通路で数に勝る教団員を引き付けてくれている仲間達のお蔭でもある。
それを無駄にしない為にも、エリックは積極的に攻勢に出た。
「エリック、左から2人目、弱ってる」
周囲の状況を観察していたアルメリアの声に従い、エリックは息の荒い護衛隊員を庇うように前に出る。
「おう、助けに来たぜ! まだやれるか!?」
護衛隊員を元気づけながら、教団員と対峙する。呪うように怒声をあげる教団員に、
「吠えるなよ。嘆くなら自分の運の無さを嘆くんだな。俺達に見つかったのが運の尽きだ!」
威圧を掛けるために声をぶつけながら、両手剣を振り抜く。教団員は片手盾で防ごうと受け止めるも、衝撃まで受け切れず腕を破壊され倒れ込んだ。
これで残り3人。だがそれも、
「残り2人だ! このままやれば勝てる! 踏ん張れ!」
更に1人を打ち倒したダグラスの声に、残り2人の教団員は戦意を喪失。この場に居る全ての教団員を取り押さえることが出来た。
取り押さえてた教団員を護衛の小隊員が縛っていく中、ダグラスとエリックは仲間の元に走る。
戦いは佳境を迎えていた。
● 勝利を掴み取れ!
ダグラスとエリックが救援に向かう間も、戦いは当然続いていた。
「こんなおじさんに手玉に取られるようじゃあ、まだまだ未熟だね」
接近戦を挑んできた教団員を、レイは軽やかに翻弄する。攻撃する事よりも回避に専念し、教団員が疲れ動きが止まった所で距離を取る。
「兄さま、いつでもいけます」
UNOの支援を受け、レイは狙いを付ける。
「チェック」
避けようのない詰みとなる攻撃を叩きこみ、戦闘不能へと追い込んだ。
「ありがとう。退屈しのぎのゲームにはなったよ」
不敵に笑いながら、更なる敵の元に。
そうして打ち倒していったのは、ステファニーも同様だ。
「……っ、……!」
クラリスが教団員の前に躍り出て、注意を引いている間にステファニーは狙いを付ける。それは痛打となって、教団員を戦闘不能に追い込む。
「ありがとう、クラリス」
「……♪」
優しくクラリスに礼を返しながら、更なる戦いへと向かって行く。
そんな中、仲間の援護を中心に動いているのはレイウズ。
「こちらに向かってきそうな敵はいません。今なら援護に集中できます」
「分かった。変わらず索敵を頼む」
スミレリアに周囲の警戒を任せ、レイウズは援護の攻撃を放つ。攻撃の先は、コウユウに襲い掛かろうとしていた1人。マジックミサイルを命中させ、注意を引く。
「敵が、こちらに来ます。気を付けて下さい」
「ああ、分かってる。だがサポートは、しないとな」
戦いの中にあっても余裕を浮かべ、スミレリアに笑みを返しながら、レイウズは援護を重ねる。
その援護のお蔭もあって、コウユウは前線で戦い続けられていた。
「きゃるーん☆テンペスト!」
盾を叩きつけながら、コウユウは挑発を重ねる。顔の前に掌を持ってきて、親指と人差し指と小指を立てポーズまで決めていた。
「また敵が来るよ。煽るのもほどほどにしないと」
心配するヒナに、
「もてる男はつらいってな! 心配すんな、ヒナ!」
わざと軽く返す。それにヒナは、
「してないもん」
拗ねたように言いながら、コウユウのサポートに頑張る。
今回の戦いでの要は、ある意味コウユウである。挑発し敵の多数を引き付けているからこそ、救援も、数に勝る教団員を相手どる事も出来ている。
その分、かなりボロボロにされていたが。遠距離攻撃組の援護があるとはいえ、それだけではかなりマズいことになっていたが、それを防いでくれていたのはレンズ。
「フフハハハ! いま治してやるから待っていろ!」
自分を鼓舞するために笑い声をあげながら、レンズは傷付いたコウユウを癒す。
ハッキリ言って、レンズの回復が無ければとっくの昔に戦闘不能になっていたコウユウだが、レンズの回復のお蔭で耐えている。
それによって、なんとか戦線は維持されていた。
「頑張れ頑張れ、お兄ちゃん!」
「フフハハハ! 任せろ!」
ロロの応援を受け、必死に動き回りながらサポートに動くレンズ。コウユウと共に、戦線維持の要であるので、下手に戦う訳にはいかない。
そうして戦っていく中、敵の数は3人ほど減る。だが、まだ6対5と数の上では不利な上、疲労もたまってきていた。
このままではマズい事になる。その少し前に、
「すまん! 遅くなった!」
「向こうの敵は制圧した! 残りはそいつらだけだ!」
ダグラスとエリックが大通路での戦線に復帰する。
「挟み撃ちの包囲戦が出来そうね。あと一息だから、がんばりましょう、クラリス」
「……っ!」
ステファニーが気合を入れるのと同様、他の仲間達も最後の踏ん張りを見せ、全ての教団員は倒された。
● 制圧完了
「フフハハハ! 怪我をした者はもう居ないか? 居るならすぐに治すからな!」
制圧後、レンズは皆の怪我を回復させるために忙しく動き回る。回復させる中には、教団員も例外ではなかった。医師として死者を出さないよう、必死に動いていた。
「お疲れさま、お兄ちゃん」
そんなレンズを、ロロは労るように声を掛けていた。
アニマに、元気付けられていたのはステファニーも同様で、
「……、……?」
「大丈夫よ。疲れてなんていないから」
心配するように見詰めるクラリスに、周囲の警戒に就いていたステファニーは、優しく微笑みながら返してやった。
周囲の警戒に就いているのは、エリックやダグラスも同様で、
「エリック、疲れて、ない?」
「ああ、大丈夫だ。お前のサポートのお蔭だ」
エリックとアルメリアはお互いを気遣い、
「マスター、頑張ったわね。でも、今月中にもう一個はお仕事しなきゃ危ないわ。メルが言うんだから本当の事よ」
「マジか? 割りの良い仕事が見つかりゃ良いが。その時は頼むぜ」
ダグラスとメルニュクス・ノイマンは、明日のために言葉を交わす。
そんな中、レイは制圧した教団員に尋問をしていた。
「何も知らないみたいですね、お兄さま」
「やれやれ。アビス感染を止めない限り不毛な争いは続く、か」
UNOの言葉に肩をすくめるように返しながら、レイはどこか面白そうに、僅かに笑みを浮かべていた。
その一方で、レイウズはプラントの修繕を手伝う。
「このプログラムの修復は終わりました。次のプログラムに進みますか?」
「そうだな。念のため、聞いてからにしよう」
レイウズはスミレリアの助けも借りながら、食糧生産プラントの起動プログラムの補修を引き受けていた。
そうしてそれぞれが動く中で、今回の戦いで一番大変だったコウユウは、さすがにぐったりと寝転んでいた。
「ボロボロね。いま襲われたら、大変だよ」
「そん時は、助けてくれよ、ヒナ」
「……当たり前でしょ」
素直になれないヒナに苦笑しながら、コウユウは疲れた体を横たえていた。
こうして戦いは終わった。
自由に動けるようになった護衛隊員が、増員を呼んで守りが固められる中、探究者達は再び動き出す。
探究者達の活躍により守られた食糧生産プラントは、きっとみんなの役に立つだろう。
そう素直に思える活躍を見せてくれた探究者達であった。
依頼結果
超成功
|
依頼相談掲示板
【隠れた真実】インフラ回復を助けよう 依頼相談掲示板 ( 46 ) | ||
---|---|---|
[ 46 ] レンズ・レグランス
デモニック / マッドドクター
2017-07-02 16:48:16
|
||
[ 45 ] ステファニー
デモニック / ハッカー
2017-07-02 14:18:34
|
||
[ 44 ] レイ・ヘルメス
ドワーフ / ハッカー
2017-07-02 11:49:58
|
||
[ 43 ] コウユウ
ヒューマン / ガーディアン
2017-07-02 10:03:13
|
||
[ 42 ] ダグラス・ノイマン
ドワーフ / ガーディアン
2017-07-02 07:54:14
|
||
[ 41 ] ダグラス・ノイマン
ドワーフ / ガーディアン
2017-07-02 07:50:18
|
||
[ 40 ] エリック・ブレイスフォード
ドワーフ / マーセナリー
2017-07-02 01:45:20
|
||
[ 39 ] コウユウ
ヒューマン / ガーディアン
2017-07-01 06:21:45
|
||
[ 38 ] エリック・ブレイスフォード
ドワーフ / マーセナリー
2017-07-01 02:43:03
|
||
[ 37 ] レイウズ・ブラムハイン
エルフ / ハッカー
2017-06-30 23:46:50
|
||
[ 36 ] レイウズ・ブラムハイン
エルフ / ハッカー
2017-06-30 23:45:52
|
||
[ 35 ] ステファニー
デモニック / ハッカー
2017-06-30 22:39:17
|
||
[ 34 ] ステファニー
デモニック / ハッカー
2017-06-30 22:39:09
|
||
[ 33 ] コウユウ
ヒューマン / ガーディアン
2017-06-29 18:37:09
|
||
[ 32 ] レイウズ・ブラムハイン
エルフ / ハッカー
2017-06-29 01:26:05
|
||
[ 31 ] レイウズ・ブラムハイン
エルフ / ハッカー
2017-06-29 01:25:58
|
||
[ 30 ] レンズ・レグランス
デモニック / マッドドクター
2017-06-29 00:10:54
|
||
[ 29 ] ステファニー
デモニック / ハッカー
2017-06-28 23:49:29
|
||
[ 28 ] ステファニー
デモニック / ハッカー
2017-06-28 23:45:02
|
||
[ 27 ] ステファニー
デモニック / ハッカー
2017-06-28 23:40:47
|
||
[ 26 ] コウユウ
ヒューマン / ガーディアン
2017-06-28 19:23:56
|
||
[ 25 ] コウユウ
ヒューマン / ガーディアン
2017-06-28 19:17:36
|
||
[ 24 ] レンズ・レグランス
デモニック / マッドドクター
2017-06-28 08:03:07
|
||
[ 23 ] エリック・ブレイスフォード
ドワーフ / マーセナリー
2017-06-27 15:51:30
|
||
[ 22 ] コウユウ
ヒューマン / ガーディアン
2017-06-27 01:12:42
|
||
[ 21 ] エリック・ブレイスフォード
ドワーフ / マーセナリー
2017-06-27 00:40:49
|
||
[ 20 ] コウユウ
ヒューマン / ガーディアン
2017-06-27 00:39:56
|
||
[ 19 ] ステファニー
デモニック / ハッカー
2017-06-27 00:29:38
|
||
[ 18 ] コウユウ
ヒューマン / ガーディアン
2017-06-26 23:56:42
|
||
[ 17 ] コウユウ
ヒューマン / ガーディアン
2017-06-26 23:52:22
|
||
[ 16 ] エリック・ブレイスフォード
ドワーフ / マーセナリー
2017-06-26 23:09:17
|
||
[ 15 ] ステファニー
デモニック / ハッカー
2017-06-26 22:25:01
|
||
[ 14 ] ステファニー
デモニック / ハッカー
2017-06-26 22:24:46
|
||
[ 13 ] レンズ・レグランス
デモニック / マッドドクター
2017-06-26 22:14:56
|
||
[ 12 ] ダグラス・ノイマン
ドワーフ / ガーディアン
2017-06-26 18:20:17
|
||
[ 11 ] コウユウ
ヒューマン / ガーディアン
2017-06-26 17:05:38
|
||
[ 10 ] コウユウ
ヒューマン / ガーディアン
2017-06-26 17:04:16
|
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[ 9 ] レイ・ヘルメス
ドワーフ / ハッカー
2017-06-26 15:22:25
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[ 8 ] レイ・ヘルメス
ドワーフ / ハッカー
2017-06-26 15:21:03
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[ 7 ] レイ・ヘルメス
ドワーフ / ハッカー
2017-06-26 15:19:13
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[ 6 ] レンズ・レグランス
デモニック / マッドドクター
2017-06-26 12:48:44
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[ 5 ] コウユウ
ヒューマン / ガーディアン
2017-06-26 06:01:32
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[ 4 ] レンズ・レグランス
デモニック / マッドドクター
2017-06-25 23:54:57
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[ 3 ] エリック・ブレイスフォード
ドワーフ / マーセナリー
2017-06-25 22:28:53
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[ 2 ] ダグラス・ノイマン
ドワーフ / ガーディアン
2017-06-25 19:56:43
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[ 1 ] ステファニー
デモニック / ハッカー
2017-06-25 19:39:37
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