プロローグ
シティのとある区画――
そこではボロボロの毛皮を身にまとい、顔に戦化粧を施した蛮人どもが暴れ回っていた。
彼らは空賊団『バッカニア』だ。
空挺都市の危機に便乗し、私腹を肥やそうとやってきた外道ども。
このシティ以外の場所にも上陸し、殺戮を繰り広げているという。
ブロントヴァイレスへの対処に多くの戦力を割いた結果、市街地の防衛はどこも手薄になっている。この場所も例外ではない。
逃げ惑う避難民たちは、なすすべなくバッカニアの餌食となる運命だろう。
救護部隊に参加した『あなた』たちは、この区画へと馳せ参じた。
あなたたちの活躍により空賊どもは蹴散らされ、避難民は守られた。無慈悲な運命は変えられたのだ――そう思ったときだった。
「大変だ!」
避難民の男が叫ぶ。
「バッカニアの奴らが、隠れてた女子供をさらっていきやがった!」
男によれば、逃亡する数名の空賊が女や子供をエスバイロで連れ去っていったという。
あなたたちはすぐさま空賊たちの後を追うことにした。
幸い、すぐにバッカニアたちを発見することができた。
正確には奴らの母船である中型の飛空挺をだが。
飛空挺の周囲にいる敵の数は八名。さらわれたという避難民五名の姿も確認できた。
奴らは母船に乗り込むことなく、周囲を警戒している。
どうやらトラブルがあり、母船の入口が開かないらしい。
これはチャンスだ。あなたたちは避難民を救出するべく行動を開始する――
解説
・空賊に捕らわれた避難民全員を救出するのが目的です。
・避難民は一箇所に集められていて、空賊がひとり見張りをしています。
・ひとりの空賊が、母船の修理作業をおこなっています。修理が終われば、彼らは逃亡してしまうかもしれません。
・その他六名の空賊が、周囲を警戒しつつ巡回しているようです。
・自身たちが危なくなれば、空賊は躊躇なく避難民の命を奪うでしょう。正面突破は危険です。
・周囲には貨物用の大きなコンテナがあり、身を隠しながら接近できるかもしれません。
・付近にある高い建物から狙撃するというのも有効でしょう。
このエピソードはグランドプロローグ「崩壊の始まり」の連動エピソードです。
イベントで起きた様々な大事件の陰で、隠された物語をエピソードにしています。
歴史の狭間、真実の隙間を埋める物語へ参加してみてください。
なお「崩壊の始まり」にて選んだ選択肢と関係ないお話でも参加可能です。
ゲームマスターより
みなさま、はじめまして。新城ちひろと申します。
GM初経験ですが、なんとかみなさまに楽しんでいただけるように頑張りたいと思います。
どうぞ、よろしくお願いします!
【隠れた真実】捕らわれた避難民の救出 エピソード情報
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担当 |
新城ちひろ GM
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相談期間 |
10 日
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ジャンル |
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タイプ |
EX
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出発日 |
2017/7/6 0
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難易度 |
普通
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報酬 |
通常
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公開日 |
2017/7/16 |
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*目的 避難民を救助しようじゃないか *動機 避難民がグロい系薄い本みたいな展開になるのは俺としてもちょ~っと後味が悪いからな。助けんわけには行かんでしょ *手段 武器:両手剣 全体の行動方針は、索敵をし、その後狙撃で敵を減らす。そして近接担当が迅速に撃滅。こんな感じだな 索敵が終わったら、狙撃が始まる前にアニマと一緒にコンテナを利用してコソコソと接近 狙撃が始まって敵が慌てふためいたところへ突撃して戦闘開始! 避難民諸君、騎兵隊の到着だ! 戦闘時は、まずは近くの敵に狙いを定める。そして【デュエルブラッディ】で高めた力で両手剣を振りかぶり、面で胴体をぶん殴るようにしてぶっ飛ばす! なにはともあれ避難民の安全が最優先。だから敵をなるべく遠ざけて対処する事が肝要ってもんだ そのまま近くの敵を巻き込んでモタモタしてる間に一気に倒せればいいが、無理なら一人一人確実に両手剣でぶっ倒していく!
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このような危機的状況ですら利己的に動くのは、俺はどうかと思うがねえ まあ、しょうがない。避難民を助けに行こう 十分な人数がいないのでこの際空賊の逃走は今回は妥協して考慮外、かな ◆行動 空賊たちから見つからない、かつ出来る限り近い位置にて待機 オクセンくんが見張りを排除したら、多分銃声が響くのでそれを合図にして人質たちへ急行 見張りが狙撃で排除できていればよし、できていなければ追撃して無力化、捕縛する 後は空賊共が逃げるか全滅するまで人質の護衛 ……オクセンくんが修理要員も排除してくれるといいけど その場合は母船も制圧しちゃおうね 狙撃直後は動揺しているだろうから、その隙にぶん殴る 頭とか狙って、とにかく効率よく行動不能に陥らせることを主眼に置く 人質は安全確保のため、射線の通らない物陰などに移動、伏せさせる 「己の所業を悔い改めろ! 鉄拳制裁!」 「助けに来たよ! まずは隠れよう」
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初めに索敵した情報を共有し、高所からの索敵で敵の位置、巡回ルート、武器、種族をオクセン、セイル、ブレイに定時または変化が生じる度連絡し「エクステリアメルト」で援護射撃。捕虜の解放より修理が早い場合、母船に敵より早く潜入することも試みる。万が一鉢合せした場合、敵の情報収集(恥ずかしいネタ)で得た知識で楼閣する。
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武器は銃(狙撃銃)を使用 仲間の索敵の結果を受けて見張りを狙撃出来るポイントに移動。良いタイミングで人質の見張りを狙撃し作戦開始。 仲間が人質の安全確保をしている時は、騒ぎに気付いて近づいてこようとする空賊を適時スキルを利用しながら狙撃で妨害・排除。適度に狙撃ポイントを移動してどこから銃撃されているのか絞らせない。 余裕が出来たら修理している空賊を狙撃し修理の妨害。とにかく人質の安全を最優先。 もし人質を盾にされた場合でも、躊躇せず空賊を狙って狙撃する。とはいえ、もし外した場合に人質にとって致命傷にならないかは考慮する。
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参加者一覧
リザルト
●索敵
周囲を見通せる高所に位置どり、デモニックの女性――『Apokalypsis』は入力端末を操作する。
「索敵開始します」
平坦な声でそう呟き、Apokalypsisは敵の解析をはじめる。
「……完了しました」
解析は瞬時に終わった。敵の規模は大きくない。ハッカーであり、優れた索敵能力を有する彼女には造作もないことだ。
「敵の数は全部で八名。そのうち一名が捕らえた避難民の見張り。一名が故障した母船の修理作業。残り六名が歩哨に立っているようですね――」
Apokalypsisは解析したバッカニアの情報を、通信で他のメンバーに伝える。
「――と、以上です」
敵の位置や巡回ルート、種族や武装、そして肝心要の避難民が捕らえられている場所――
それらの情報を淡々とメンバーに報告したApokalypsisは、改めて眼下の敵陣を冷ややかに見つめた。
(さて、作戦開始ですね……)
Apokalypsisは入力端末を操り、いつでも魔法やスキルが発動できるように準備する。
ここからの自分の役目は、味方の援護だ。もちろん、引き続き情報の解析も状況の変化に合わせて行うつもりだが。
(うまくいくといいですね)
どこか他人事のように、Apokalypsisは心中で囁いた。
●接近
Apokalypsisからの情報を受け取った『ブレイ・ユウガ』は、周囲にあるコンテナの陰を利用し、捕らわれた避難民のもとをめざす。
巡回している空賊に見つからないよう焦らず慎重に。尚且つ迅速に。
いつ空賊と鉢合わせしてもいいように、得物である両手剣を如才なく構えながら進む。
パートナーであるアニマ、『エクス・グラム』もブレイ同様に身を潜めながら後をついてくるのだが――
「……エクス、お前までコソコソする必要ないだろう」
アニマの姿――ホログラム映像は『オープンモード』でなければ主人以外には視認できない。
現在のエクスは『プライベートモード』、つまり主人であるブレイ以外に彼女は見えていないのだ。
「そもそも、今ホロを出す必要があるのか?」
「こういうのは気分の問題よ」
なんの気分だ。
と、突っ込みたくなるのをブレイは堪える。今はそんな問答をしている場合ではない。
――そうこうするうち、ブレイは敵に発見されることなく、避難民が集められている場所のすぐ近くまで到達していた。
コンテナの陰からそっと辺りの様子をうかがう。
ロープで手を縛られた避難民たちが、地面に座らされている。そのすぐそばには、情報通り武器を手にした見張りの空賊がひとり佇んでいた。
見張りの空賊が手に持った武器で、避難民を威嚇するような行動を取る。
それを目にしたブレイは、今すぐにでも飛び出して空賊をねじ伏せてやりたいという衝動を必死で抑えた。今はまだ駄目だ。
「……あの見張りの排除を待とう」
まるで自分に言い聞かせるようにそう呟いたブレイは、ふと反対側にあるコンテナの陰にメンバーであるドワーフの姿を発見した。
ドワーフの『セイル・シォーツ』も、ブレイの姿を確認する。
向こうと目が合い、互いに頷き合う。ブレイの瞳に空賊に対する怒りのようなものをセイルは感じ取った。
ワールズ教の修道士を自称するセイルとしても、空賊団『バッカニア」どもの所業は許せない。世界が、人類が危機的状況に陥っている中、こんな利己的な行動に出るなんて。
鉄拳制裁を加えてやろう。そう心に決め、セイルはナックルを装備した両手に強く力を込めた。
とはいえセイルの主な役目は、避難民の安全を確保することにある。
狙撃によって見張りを排除し、突然の銃声に浮き足立つ空賊どもにブレイが突撃して引きつける。
大立ち回りを演じるブレイに空賊の注意が向いている隙に、セイルが避難民たちの安全を確保するという流れだ。
幸い、ここには身を隠せそうな場所が多い。それこそ今、セイルやブレイが敵から発見されずにいられるようにだ。
すばやく空賊を片づけられれば、避難民たちに被害はおよばないはず。
余裕があれば空賊の母船である中型飛空挺も制圧したいところだが、この人数ではさすがに厳しいかもしれない。
なにはともあれ避難民の安全確保が最優先だ。
作戦の流れを頭の中で確認し、セイルは納得したように一つ頷く。
それから通信を起動し、
「……ブレイくんも俺も、位置についたよ」
突撃組の準備が整ったことをメンバーに告げる。
「キミのほうはどうかな?」
セイルは狙撃を担うメンバーにそう呼びかけた。
●狙撃
「そう急かすな、シォーツ」
同族からの通信に、『オクセン・マイスナー』はそう返した。
「オレは今、よさげな狙撃ポイントについたばかりだ」
スナイパーであるオクセンが最初の狙撃ポイントに選んだのは、敵陣から少し離れた場所に位置する高い建物の屋上だ。
Apokalypsisが待機しているところもたしかに見通しは悪くはないのだが、あそこだと標的である見張りが少々狙いづらかったのである。
ミスは許されない。見張りは一発で確実に仕留める必要がある。そうしなければ、避難民たちに害がおよぶ危険性が高まってしまうかもしれない。
それゆえに、オクセンは万全を期したかったのだ。ここなら見張りも狙いやすく、命中精度も上がるだろう。
屋上の縁まで歩みを進め、オクセンはその目で敵陣を見下ろす。
「やはり、ここなら問題なさそうだ」
満足そうにひとりごちて、オクセンは肩に担いでいたスナイパーライフルを構えた。
片ひざを突いてしゃがみ、ターゲット・スコープを覗き込んで狙撃体勢に入る。
目標――見張りの空賊は、すぐに捕捉できた。
自然、捕らわれた避難民たちもオクセンの視界に入ってきてしまう。その脅えきった表情が。絶望に打ちひしがれた姿が。
「……空賊などに、彼らの未来を奪わせん」
絶対に外すわけにはいかない。オクセンはスキルを発動させる。
フラッシュエイム。攻撃の命中率を高める、スナイパーのクラススキルだ。
オクセンが標的に狙いを定める。彼の身体から、微かに赤いオーラが立ちのぼる。
「一撃で決める」
そう口にし、オクセンはライフルの引き鉄を絞った。
●突撃
銃声が響き、毛皮を着こんだ野卑な男の頭部が撃ち貫かれた。
男の身体がぐらりと傾ぎ、地面にくずおれる。
ややあってから、そばにいた避難民たちが悲鳴を上げた。
見張りは始末された。行動開始の合図だ。
ブレイとセイルは同時にコンテナの陰から駈け出した。
突然の銃声、そして悲鳴に何事かと慌てふためく空賊たちの前に、ブレイが踊り出る。
敵の数は三人。避難民の悲鳴を耳にし、この場に駆けつけてきたのだろう。
ブレイの姿を目の当たりにした空賊たちは、それぞれ慄きながらも武器を構えて臨戦態勢を取る。
セイルが避難民の安全を確保するまで、敵の注意を引きつけなければ。
この場に現れなかった残り三人の歩哨が気がかりだが、そちらはオクセンやApokalypsisに任せよう。
ブレイは両手剣を構え、スキルを発動させる。
デュエルブラッディ。自身の攻撃力を高める、マーセナリーのクラススキルだ。
「ルァァァァッ!」
空賊のひとりが荒々しく叫びながら、ブレイに攻撃を仕掛ける。
ブレイは両手剣を思いきり振りかぶり、向かってきた空賊の胴体に剣の腹を叩きつけた。
空賊は呻きながら後方へ吹き飛び、地面に転がる。空賊はそのままピクリとも動かなくなった。
叩き斬ることもできただろうが、ブレイはあえてそうしなかった。
これ以上、避難民たちに凄惨な光景を見せるのは忍びない。
ブレイは残る二人の空賊を片づけるべく、地を蹴り駆け出した。
●救出
オクセンの狙撃で見張りが倒れた瞬間、セイルはコンテナの陰から飛び出し避難民たちのもとへと疾駆した。
「助けに来たよ! まずは隠れよう」
怯えきった避難民たちを安心させるよう、セイルは努めて柔かに呼びかける。
避難民の中には、まだ幼い子供の姿もあった。
セイルは思わず自身が経営する小さな寺院――その近所に住む子供たちの姿を連想してしまう。
絶対に助けなければ。
セイルが予定どおり、避難民たちを物陰に誘導しようとしたときだった。
「ああっ!」
避難民の女性が、セイルの背後を指さし短い悲鳴を上げる。
セイルが弾かれたように振り向くと、空賊がひとり、怒りの形相を浮かべてこちらに猛然と迫ってくるところだった。
「テメェ、なにしてやがる!」
空賊は怒号を上げ、セイルめがけて突進してくる。
しかしセイルは怯むことなく、むしろこちらから空賊に肉薄した。
「己の所業を悔い改めろ! 鉄拳制裁!」
そう発しながらセイルは拳打を繰り出し、空賊を痛烈に殴りつける。
地面に倒れ伏す空賊――そいつの意識がないのを確認したセイルは、避難民の安全確保を再開する。
●援護
二人の空賊が同時にブレイへ攻撃を仕掛ける。
ブレイは一方の空賊をさっきと同じく剣の腹で吹っ飛ばした。
その隙を狙って、もう一方の空賊が武器を振り上げるが――
銃声が轟き、ブレイへ武器を振り下ろさんとしていた空賊の頭が撃ち抜かれた。
これは、オクセンによる援護射撃だ。
「ありがとう、オクセン」
ブレイは通信で狙撃手に礼を述べる。
オクセンはブレイからの通信に「気にするな」と短く返した。
彼が今いるのは、さっきとは違う狙撃ポイントだ。
見張りを仕留めたあと、急いで別のポイントに移動したのである。こうすることで、どこから銃撃されているのか敵に絞られにくくなるはずだ。
「さて、他の敵はどこだ?」
オクセンはターゲット・スコープを覗き、敵の姿を捜す――
「残る敵は二人……」
離れた位置で戦況を見守っていたApokalypsisが呟く。
(いえ……母船の修理をしている空賊も含めると三人ですね)
もしかしたら母船内にも空賊がいるかもしれないが、今は考慮しなくてもいいだろう。
制圧はもう時間の問題――とはいえ、油断は禁物だ。
そう考えていると、オクセンから通信が入る。
「Apokalypsis、敵の位置を教えてくれ」
「わかりました、少し待ってください」
オクセンからの要請に応え、Apokalypsisは再度、周囲を索敵する。
敵の位置はすぐに判明した。
その場所を目にしたApokalypsisは、微かに眉をひそめる。
残る二人の歩哨は、セイルが保護した避難民のすぐ近くにいた。
このままでは隠れている彼らが発見されるかもしれない。
そう判断したApokalypsisはすばやく入力端末を操作し、エクステリアメルトを放った。
空賊二人に光輪によるマーカーが点灯する。
このスキルは対象の存在を解析し、存在証明の抵抗が少ない最も外側の部分を改竄する。命中した対象にはマーカーがつき、防御力を低下させる効果があった。
マーカーのついた敵に、Apokalypsisはマジックミサイルを放つ。
狙い過たず、攻撃は二人の空賊に命中した。
これで残る敵は、あとひとりだ。
●逃走
「さて、これで余裕ができたな」
オクセンが誰にともなく言った。
見張りと六名の歩哨は片づけた。避難民たちの安全はとりあえず確保できただろう。
オクセンはライフルの照準を敵の母船に向ける。
「……ちっ、どうやら遅かったみたいだ」
忌々しげにオクセンがもらす。
入口の修理はすでに終わったらしく、作業をしていた空賊は船内に入ったようだ。
そう思ったのも束の間、中型飛空挺のエンジンが唸りを上げる。そして飛空挺は、そのまま離陸を開始した。
「逃げるみたいですね」
Apokalypsisが無感情に告げる。
「おい、どうするんだ?」
ブレイがメンバー全員に問いかけた。
「追撃しますか?」
Apokalypsisが言う。
あの中型飛空挺は、そこまで速くないタイプのものだった。今からエスバイロに乗れば、まだ追いつけるだろう。
「いや、やめておこうよ」
そう進言したのはセイルだ。
「避難民たちをほっぽり出していくわけにはいかないだろう? それにこの人数じゃ戦力的にも心もとないよ。敵が他の部隊と合流しないとも限らないし」
「たしかにな」
セイルの言葉にブレイが同意する。
せっかく救出した避難民たちを置き去りにしてまで、逃げる敵を追うこともないだろう。
もう少しメンバーがいれば、手分けしてどうにか対処できたかもしれないのだが。
それは今さら嘆いても詮ないことだ。
「それじゃあ、作戦は終了ってことだな」
ブレイがどこか緊張を解いたような声音で言う。
「いや、まだだろう」
すかさずオクセンがそう告げた。
「なに?」
「そうだね、避難民たちをシティまで連れ帰ってあげないと」
セイルがオクセンの意図を汲み取ったようにそう続ける。
「ああ、なるほど」
「――それでは帰還しましょう」
ブレイが納得したように頷き、Apokalypsisが帰還を促す――
●歪
――ここにいた誰もが気がつかなかった事実がある。
それはなんらかの原因で、この場が時空の歪みに呑まれていたということだ。
しかし事件は探究者たちの活躍で解決された。
最後に残っていた小さな歪みも、ゆっくりと消えていく――
依頼結果
依頼相談掲示板