プロローグ
一度は敗北した相手、ブロントヴァイレス。
そして、敗北という事実は、多くの人々を絶望させた。
絶望の元凶は、最悪の敵、ブロントヴァイレスだ。
ブロントヴァイレスに敗北し、多くの人々が絶望した世界で健闘した貴方達は、過去へと戻る事になった。
貴方達は、記憶を持ったまま歴史をやり直す事になったのだ。
”ブロントヴァイレスの【弱点】という記憶を持って”
奴の【弱点】…それは、ブロントヴァイレスの【胴体】にある【逆鱗】だ。
この弱点を知った今、貴方の選択次第でブロントヴァイレスとも互角に戦う事が出来るかもしれない。
だが、この【弱点】は全員が知っている訳ではない。
歴史をやり直した貴方だけが知っているのだ。
現在、戦場ではレーヴァテイン防衛軍の残存部隊がブロントヴァイレスと戦っている。
”弱点を知らずに”だ。
このままレーヴァテイン防衛軍が戦い続けたらどうなるだろうか…?
今彼らは命がけでブロントヴァイレスと戦っている。
レーヴァテイン防衛軍を救い、彼らと力を合わせ、ブロントヴァイレスを倒せる可能性があるのは、ブロントヴァイレスの【弱点】を知る貴方だけだ。
一度は負けた相手に、復讐したくはないか?
絶望の先にある光を、見たくはないか?
全ては、ブロントヴァイレスの【弱点】を知る貴方に掛かっている。
このエピソードはグランドプロローグ「崩壊の始まり」の連動エピソードです。
イベントで起きた様々な大事件の陰で、隠された物語をエピソードにしています。
歴史の狭間、真実の隙間を埋める物語へ参加してみてください。
なお「崩壊の始まり」にて選んだ選択肢と関係ないお話でも参加可能です。
解説
一度は敗北した相手、ブロントヴァイレスが相手です。
ブロントヴァイレスの【弱点】は【胴体】にある【逆鱗】です。
個体によって【逆鱗】のある場所は変わりますが、接近し、よく観察すれば分かるでしょう。
戦場では今レーヴァテイン防衛軍が戦っています。
レーヴァテイン防衛軍を救い、逃すのもいいですが、【弱点】を教え、協力するのも1つの戦術でしょう。
本エピソードでは、歴史をやり直したことでブロントヴァイレスの【弱点】を知っている各探索者が、その記憶を元にリベンジを果たすような展開にしたいと思っています。
探索者間で協力することは必須ではありません。とくに連携していない場合は個別に参加メンバー分の描写をちりばめたリザルトノベルになることでしょう。
協力体勢をとる場合は、グループアクションということで『GA【グループ名】』という記述をアクションプランの冒頭に入れて下さい。
こうすることで、どんなプレイヤーさんでも楽しめる幅が増えると思います。
以上です。どんなプレイヤーが参加されるのか楽しみですね。
それでは頑張って下さい!
ゲームマスターより
初めまして! 新人ゲームマスターの皐月 遊(さつき ゆう)です!
戦闘シーンを書くのが大好きです!
今回はブロントヴァイレスとの戦闘がメインです!
プレイヤーの皆さんと一緒に物語を作っていくのが楽しみです!
これからよろしくお願いします!
【隠れた真実】絶望の先の光 エピソード情報
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担当 |
皐月 遊 GM
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相談期間 |
6 日
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ジャンル |
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タイプ |
EX
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出発日 |
2017/7/2 0
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難易度 |
普通
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報酬 |
通常
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公開日 |
2017/7/12 |
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【仕事人】GAで行くぞ! コノがマーカーをしたところを忍び寄って刺し貫いていく 火力の足りなさは、コノのマーカーで防御が削れてるからな ぶっすり殺させてもらうぜ! それで、自分が攻撃を受けないうちに撤退! スパイは華麗に殺すもの、ってことで…チャフもあるし行けるかな? っていうか短剣まだ借りてるよな?ベルトに多めに刺してもってってくよ。 今回、防衛軍だって命をとしているわけだから、その誇りを穢すつもりはないし このまま俺は、忍び寄って殺していくから火力の足りなかったところを補ってもらいたい。 「逃げる場所なんてもうない、戦おうぜ。守るためにここに居るんだ。一緒に戦おう。 弱点さえわかれば、飛ぶトカゲでしかねえ…それに竜殺し!いい響きだよな!!」 「ドラゴンスレイヤーでありますな!」 「みんなで呼ばれちまおうぜ、竜殺し!!」 そういって、士気を上げるよ。もう二度と負けない!
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GA【仕事人】 またあいつと戦えるなんて、ある意味ラッキーかな? まあ、今はいい情報持ってるし、これを使わない手はないと思うんだよねー。やっぱ戦いって情報が大事じゃん? ってワケで、コノさんもお手伝いするよー。 【戦闘前】 防衛軍の先頭と思わしき船に近付き、戦闘への協力を持ちかける 自身は「エスバイロで適当に動き回って囮になる」と宣言。エスバイロの運転はアニマに肩代わりさせる 【戦闘】 入力端末でエクステリアメルトを使用し、【弱点】部分にマーカーを付与 他の探索者・防衛軍の動きを阻害しない程度に動き回り、エクステリアメルトが切れたら掛け直す、を繰り返す 「コノさん達もねえ、ちょっとばかし因縁? そういうのがあってさ。だから手伝いたいなー、なんて」 「よっし、いっちょ行きますかー。今日も安全運転でヨロシクね、カメリアちゃん!」 「今日の仕事もバッチリだったね! 朱狼君!」
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参加者一覧
リザルト
最悪の敵、ブロントヴァイレス。
多くの冒険者が勇敢にブロントヴァイレスと必死に戦ったが、ブロントヴァイレスの強さにかなわず、敗北してしまった。
そして、冒険者の敗北により、多くの人が絶望した。
本来ならば、そこで世界は終わるはずだった。
だが、ブロントヴァイレスと勇敢に戦った冒険者達は、記憶を持ったまま、ブロントヴァイレスに敗北する前の過去に戻る事になった。
現在、レーヴァテイン防衛軍の残存部隊と冒険者の1人、【フィール・ジュノ】が二体のブロントヴァイレスと必死に戦っている。
「くそっ……! ブロントヴァイレスが強すぎる……!」
「このまま全員死ぬのか……?」
レーヴァテイン防衛軍の残存部隊の内の2人が弱音を吐く。
弱音を吐いてはいけない事は本人達が1番分かっている。
だが、戦力が足りず防戦一方だ。 このまま戦い続ければ全滅は間違いないだろう。
実際に、レーヴァテイン防衛軍の半分近くはブロントヴァイレスのせいで命を落としている。
目の前で自分達の仲間が殺されるのを見て、もう、レーヴァテイン防衛軍の心は折れかかっていた。
一旦この不利な状況を立て直すため、ブロントヴァイレスから離れ、作戦を考えていると、レーヴァテイン防衛軍の先頭のエスバイロに近づいて行く者が居た。
「お手伝いに来たよー」
冒険者の1人、【朔代胡の枝】は、自分のエスバイロをアニマ、【カメリア】に運転させ、レーヴァテイン防衛軍に話しかける。
「救援か!?」
レーヴァテイン防衛軍の1人がそう言うと、胡の枝は前方に複数体居るブロントヴァイレスを見つめる。一度負けた相手。 その相手が今、目の前にいるのだ。
前は倒す手段が見つからず、今のレーヴァテイン防衛軍のように焦っていたが、今は違う。
今はちゃんと、倒す手段がある。
「コノさん達もねえ、ちょっとばかし因縁? そういうのがあってさ。 だから手伝いたいなー、なんて」
「助かる! ……だが、ブロントヴァイレスは強敵だぞ……」
「大丈夫、コノさんがエスバイロで適当に動き回って囮になりながら、あいつの【弱点】にマーカーを付けるよ。 だからキミ達はコノさんが付けたマーカーを攻撃して」
「なっ……! ブロントヴァイレスに【弱点】があるのか!?」
レーヴァテイン防衛軍が驚きの声をあげる。
ブロントヴァイレスの【弱点】は、過去に戻って来た冒険者達しか知らない。
あらかじめ【弱点】を知っているのと知らないのでは、とても大きな差がある。
胡の枝は自分の入力端末を操作しながら、
「詳しい話は終わってからね。 よっし、いっちょ行きますかー。今日も安全運転でヨロシクね、カメリアちゃん!」
胡の枝がそう言うと、カメリアが頷く。
カメリアの運転により、胡の枝のエスバイロが加速し、レーヴァテイン防衛軍を置いてブロントヴァイレスの方へ向かっていった。
「ごめん朱狼君! 少し遅れちゃったね」
胡の枝は、ブロントヴァイレスの周りをエスバイロで飛び回ってブロントヴァイレスがレーヴァテイン防衛軍の方に行かないように気を引いていた冒険者の1人、【朱狼・ギフトナール】に話しかける。
朱狼は、胡の枝の姿を確認すると
「いや、大丈夫だ! それじゃあコノ、作戦通り頼むぜ!」
「うん! 任せてー」
【仕事人】の朱狼と胡の枝の位置が入れ代わり、朱狼が後ろ、胡の枝が前になり、ブロントヴァイレスの周りを飛び回る。
朱狼はベルトから短剣を一本取り出し、強く握る。
胡の枝は、入力端末でエクステリアメルトを使用し、ブロントヴァイレスの【弱点】である逆鱗にマーカーを付ける。
ブロントヴァイレスは、自分の【弱点】にマーカーを付けられたことに気づかず、ただずっと冒険者達を見ている。
「朱狼君、マーカー付けたよー」
マーカーを付けた瞬間、胡の枝の隣を朱狼が通り過ぎる。
エスバイロを加速させながら、短剣を持つ手を後ろに下げ、力を溜める。
最高の一撃をブロントヴァイレスに喰らわせるために。
「ナイスだぜコノ! 」
そう言って胡の枝が付けたマーカーに思い切り短剣を突き刺す。
胡の枝のマーカーで【弱点】の防御が削れていた事もあり、簡単に刺すことが出来た。
ブロントヴァイレスは急な痛みからか大きな声で叫ぶ。
その際、ダメージを受けたブロントヴァイレスが朱狼に向かって攻撃してきたが、朱狼はその前に素早くエスバイロで移動する。
【弱点】を知っていても、ブロントヴァイレスの攻撃を食らったらおしまいだ。
「ふぅー……危ねぇ危ねぇ…」
ブロントヴァイレスの攻撃を躱し、距離を取って落ち着いている朱狼を見て、レーヴァテイン防衛軍は口を開けていた。
「あ、あのブロントヴァイレスが痛がってるぞ……!?」
レーヴァテイン防衛軍は、目の前で起きた出来事を現実だとは思えなかった。
今までずっと大きなダメージを与える事が出来ずに苦労していたブロントヴァイレスに、一撃であのブロントヴァイレスが叫ぶ程のダメージを与えたのだ。
しかも、たった2人でだ。
自分達よりも若い者達が、ブロントヴァイレスと一生懸命戦っているのを見て、自然とレーヴァテイン防衛軍の武器を持つ手に力が入る。
「んー……やっぱり火力が足りないか……」
朱狼はそう呟いて、後ろのレーヴァテイン防衛軍の方を振り返り、皆に聞こえるように大きな声で言う。
「逃げる場所なんてもうない、戦おうぜ。守るためにここに居るんだ。一緒に戦おう。
弱点さえわかれば、飛ぶトカゲでしかねえ……それに竜殺し! いい響きだよな!!」
「ドラゴンスレイヤーでありますな!」
朱狼の言葉に朱狼のアニマ【スノーフラウ・ベルベリィ】が言う。
「みんなで呼ばれちまおうぜ、竜殺し!!」
朱狼がそう言うと、レーヴァテイン防衛軍全員が武器を上げ、「おおおおおっ!!」と叫ぶ。
朱狼の言葉により、レーヴァテイン防衛軍の士気が上がったらしい。
「俺の短剣だけじゃ火力が足りない、だからみんなには火力を補ってほしい!」
レーヴァテイン防衛軍は力強く頷く。
短剣は手数は多いが、一撃の威力は小さいのだ。
短剣だけじゃブロントヴァイレスを倒すのには時間がかかるが、レーヴァテイン防衛軍が加わって一緒に攻撃すれば、倒すスピードは格段に上がるだろう。
「よし、んじゃさっきと同じく頼むぜコノ!」
「任せてー」
先程と同じように胡の枝が前、その後ろに朱狼、そして今回は朱狼の後ろにレーヴァテイン防衛軍が付き、先程ダメージを与えたブロントヴァイレスの元へ行く。
「マーカー付けたよー」
胡の枝が素早くエクステリアメルトで逆鱗にマーカーを付け、マーカーを付けた瞬間、朱狼と胡の枝の位置が変わる。
「よっし、んじゃ行くぜみんな! 一斉攻撃だ!」
真っ先に朱狼が突っ込み、ブロントヴァイレスの逆鱗に短剣を突き刺す。 ブロントヴァイレスは朱狼を確認すると口を大きく開け、朱狼を丸呑みしようとしてきた。
流石に簡単に攻撃させてはくれないらしい。
朱狼が素早くその場を離れるが、ブロントヴァイレスは逃す気はないらしく、朱狼だけを追ってきた。
「……俺だけを警戒してていいのか?」
ブロントヴァイレスは今完全に朱狼しか目に入って居ないらしく、その隙にブロントヴァイレスの死角からレーヴァテイン防衛軍が連続で逆鱗を攻撃する。
全ての攻撃が終わると、今度はレーヴァテイン防衛軍をターゲットにしたらしく、ブロントヴァイレスはレーヴァテイン防衛軍の方を向く。
レーヴァテイン防衛軍の事を警戒するあまり、今度は朱狼から目を離す。
朱狼はエスバイロのスピードを上げ、一気にブロントヴァイレスの逆鱗の近くへ行き。
「トドメだ!」
もう弱り切っているブロントヴァイレスに容赦なく短剣を突き刺すと、ブロントヴァイレスは力なく地上へ落ちていった。
どうやら絶命したようだ。
「よし、後一体だ! この調子で行こうぜ!」
ブロントヴァイレスを倒した事により、レーヴァテイン防衛軍がハイタッチなどして喜んでいる。
この辺りに二体居たブロントヴァイレスの内一体を倒し、残りは一体になった。
残りのブロントヴァイレスは冒険者達を見つけると、威嚇するように叫んだ。
その叫び声があまりにもうるさく、朱狼も、胡の枝も、レーヴァテイン防衛軍も、アニマも全員が耳を塞いでいる。
「どうやら見つかっちゃったみたいだねー」
「そうだな、さっきは不意打ちだったから上手くいったが、今回はそうはいかないな……最初から警戒されてる」
ブロントヴァイレスはその場でずっと冒険者達を見ている。 きっとこちらがどう動くか見ているのだろう。
「だけどやる事は同じだぜコノ」
「うん、任せてー」
先程と同じように胡の枝、朱狼、レーヴァテイン防衛軍の順番でブロントヴァイレスの元へ向かう。
だが、その瞬間、ブロントヴァイレスが驚くべき行動に出た。
なんと、こちらに向かってきたのだ。
流石にブロントヴァイレスと純粋な力勝負では勝つ事は出来ない。
冒険者達はバラバラに別れ、ブロントヴァイレスと距離を取る。
だが、ブロントヴァイレスはその場に留まらず、常に動き続けている。
誰に攻撃するわけでもなく、ただただひたすらに動き続けている。
「あーもう。 動かれたらマーカー付けられないよー」
胡の枝のエクステリアメルトは、マーカーを付ける場所を狙わなければならない。
だから的に動かれるとマーカーを付け辛いのだ。
「カメリアちゃん、あいつの弱点の近くまで移動して」
胡の枝がそう言うと、カメリアは頷き、スピードを上げてブロントヴァイレスの逆鱗の近くへ向かう。
だが、ブロントヴァイレスはそれを待っていたと言わんばかりに胡の枝の方を向く。
「えっ……」
ブロントヴァイレスは、胡の枝を飲み込もうと大きな口を開ける。
エスバイロは急に止まることは出来ない。
「……マズイかも」
胡の枝が飲み込まれそうになる瞬間、ブロントヴァイレスの大きな目に短剣が突き刺さった。
短剣は、朱狼が投げた物だ。
「……! 朱狼君!」
「今だコノ!」
「うん! マーカー付けたよ!」
ブロントヴァイレスが目の痛みで悶えている隙に逆鱗にエクステリアメルトでマーカーを付け、素早くその場を離れる。
そして、胡の枝と入れ替わるように朱狼がブロントヴァイレスに向かって行く。
「短剣多めに持っといて良かったぜ!」
ベルトに刺した短剣を2つ取り、素早くブロントヴァイレスを斬りつける。
目が見えていない今が攻撃のチャンスだ。
「チャンスだ! みんなも全力で攻撃してくれ!!」
レーヴァテイン防衛軍も加わり、連続でブロントヴァイレスの逆鱗に攻撃を加えていく。
目が見えないブロントヴァイレスががむしゃらに攻撃してくるが、冷静に周りを見れば避けられない早さじゃない。
そして最後に朱狼が思い切り逆鱗を斬りつけると、ブロントヴァイレスがゆっくりと落ちていく。
落ちていくブロントヴァイレスを朱狼は冷たい顔で見下ろし。
「もう殺させねえし負けねえ……仕事完遂だぜ、コノ」
「今日の仕事もバッチリだったね! 朱狼君!」
朱狼の近くに来た胡の枝は、笑顔で言う。
地上に落ちていったブロントヴァイレスを見ながら、
「美味い飯食えそうだな、今日は」
と、朱狼が言うと
「竜を食うのでありますか?」
とスノーフラウ・ベルベリィに突っ込まれ、皆笑い出した。
一度は敗北したブロントヴァイレスに、今回、勝つ事が出来た。 それはつまり、少しずつだが、歴史が変わりつつあるという事だ。
このままいけば、もう多くの人が絶望する未来はないのかもしれない。
絶望を乗り越えた先にある光は、どんなものなのだろうか。
その光を見る為に、人々を絶望させない為に、歴史を繰り返さない為に、やり直した冒険者達は、一生懸命戦うのだ。
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